MINIの考える未来のモビリティが現実世界に現れる。MINIは6月30日、昨年11月にデジタルデビューした「ビジョン・アーバノート」を、現実のコンセプトとしてミュンヘンで開催されるDLD(デジタル・ライフ・デザイン)・サマー・コンファレンスの会場で7月1日にお披露目すると発表した。
カイコの繭のような外観とデザインホテルのラウンジを思わせるインテリアで、非現実的と思われたビジョン・アーバノート。だが、MINIのエンジニア達は着々と実車の製作を進めていた。4.46mの全長を持つコンセプトはサステナビリティと多用途性が特筆点で、パワートレーンにはゼロエミッションのEVコンポーネントを採用。昨年のリリースに記されていたビジョン・アーバノートのこうした成り立ちを、実際に走行可能なモデルに仕上げてきたのだ。
最も再現困難と思われたインテリアも忠実に実車へ落とし込まれているようで、デイベッドにもなるダッシュボードや停車時にバルコニーのように開くウインドスクリーンなど、夢想的なディテールがどう製作されているか実に楽しみ。そもそもビジョン・アーバノートは室内から先にデザインが始まっており、単なる移動手段ではなく友人達が集まって「まったり」する場としての提案だから、こうしたセリングポイントが失われれば存在意義がなくなってしまう。また、室内のマテリアルからはクロームやレザーが完全に廃され、ミニマリスト的な引き算の美学が反映された造形が採用されているとのことだから、その乗車体験は衝撃だろう。
このほか、「Chill」、「Wanderlust」、「Vibe」という3つのインテリアを小さなトークンで呼び出すシステムや、フロントとリアエンド、さらにはホイールにまでおよぶグラフィック表示機能、自動運転時には格納されるステアリングホイールとペダル類、フロントを覆うアルミニウム製パネルの内部に装備されたヘッドライトなど、ビジョン・アーバノートの画期的装備は数え切れないほど。タイムマシンから降りてきたような実車の登場が楽しみだ。
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